「薬が余っている」と医師に言えずに捨てていませんか? 罪悪感ゼロ! 薬剤師に頼むべき「残薬調整」の裏ワザ

ブログ記事サムネイル画像。緑色のカテゴリー帯に本と電球のアイコン。メインタイトルは「『薬が余っている』と医師に言えない…」。サブタイトルは「怒られません! 薬剤師に頼む『残薬調整』と節約術」。

こんにちは。「全国かかりつけ薬局百名店」運営事務局です。

「お昼の薬をよく飲み忘れて、引き出しに大量に余っている…」
「でも、お医者さんに『ちゃんと飲んでる?』と聞かれると、怒られるのが怖くてつい『はい』と答えてしまう」

そして結局、余った薬をこっそりゴミ箱へ捨ててしまう…。

実はこれ、非常に多くの方が抱えている「お薬あるある」です。日本全国で、年間約500億円分もの薬が「残薬(ざんやく:飲まれずに余った薬)」として無駄になっているとも言われています。

しかし、余った薬を捨ててしまうのは、「あなたのお金」と「健康になるチャンス」をダブルで捨てているのと同じです。

今回は、罪悪感を持たずに薬局を活用する「残薬調整の裏ワザ」について、現場のプロ2名が解説します。


目次

薬局の裏ワザ「残薬調整」で、お薬代が安くなる!

家に薬が余っている時、絶対にやってはいけないのが「そのままの量で新しい薬をもらい、古い薬を捨てる」ことです。

薬局で「家に10日分余っています」と正直に伝えてみてください。薬剤師があなたの代わりに医師へ連絡(疑義照会)し、今回もらう薬の日数を減らしてくれます。これが「残薬調整」です。

【比較表】余った薬(10日分)を隠した場合と、伝えた場合

項目隠してそのままもらう(捨てる)薬剤師に伝えて「残薬調整」する
医師の反応(気づかないため何も言われない)薬剤師が代わりに伝えるので怒られない
お薬代(自己負担)30日分をフルで支払う(損をする)20日分に減るため、確実に安くなる!
治療の効果薬が合っていない可能性が見過ごされる生活に合った薬に変更されるチャンス

【武田先生の解説:診察室の緊張を解くのが薬局の役目】

「病院の診察室は緊張しますし、後ろに待っている患者さんのことを考えると、医師に『実は薬が余っていて…』とは言い出しにくいですよね。

でも、薬局のカウンターなら話しやすいはずです。私たち薬剤師から医師へ『患者様のご自宅に〇日分の残薬があるため、今回は日数を調整してよろしいでしょうか』と専門的な連携(疑義照会)を行います。

これによって医師も『あ、この薬は飲みにくかったんだな』と気づくことができ、患者様が怒られることはありませんので安心してください」


なぜ余ってしまったの? 「飲み忘れ」の根本原因を解決する

残薬調整は、ただ薬を減らしてお金を節約するだけのシステムではありません。

本当に大切なのは、「なぜ薬が余ってしまったのか(飲めなかったのか)」という根本原因を解決することです。

【高橋先生の解説:自宅のリアルに合わせる】

「訪問薬剤師としてご自宅に伺うと、薬がカレンダーやテーブルの上に山積みになっていることがよくあります。

お話を伺うと、『お昼は仕事で外出しているから飲めない』『種類が多すぎて、どれを飲んだか分からなくなる』など、皆様それぞれに『飲めない正当な理由(ご自宅のリアル)』があります。

私たちはその理由を聞き出し、『お昼が無理なら、朝・夕の2回で済む薬にしてもらいましょうか』『飲むのが面倒なら、1回分を1つの袋にまとめる(一包化)ようにしましょうか』と、生活に合わせた解決策をご提案します」

あわせて読みたい(生活に合わせた工夫)

(※こちらの記事で、薬を飲みやすくまとめる「一包化」などについて詳しく解説しています)


恥ずかしくない! 余った薬は紙袋に入れて全部持っていこう

「どの薬が何日分余っているか、自分でもよく分からない…」

そんな時は、数える必要はありません。家にある飲んでいない薬を、紙袋やエコバッグにガサッと全部入れて、そのまま薬局に持ってきてください。(これを業界用語で「ブラウンバッグ運動」と呼びます)。

自宅で余ってしまった薬(残薬)を紙袋に入れて薬局に持参し、薬剤師に確認してもらっている様子。

薬剤師が一つひとつ使用期限を確認し、「使える薬」と「古くて捨てた方がいい薬」を安全に仕分けます。


よくある質問(FAQ)【残薬トラブル編】

半年前にもらった薬が余っています。また飲んでもいいですか?

自己判断で飲むのは非常に危険です。

薬自体に使用期限があるだけでなく、半年経てばあなたの「今の体調」が変わっている可能性があります。必ず薬局に持参し、薬剤師に「今の症状で飲んでも安全か」を確認してもらってください。

自分が飲み残した薬を、同じ症状が出ている家族に飲ませてもいいですか?

絶対にやめてください!

「大人の薬を半分にして子どもに飲ませる」などの行為は、重大な副作用を引き起こす原因になります。薬は「その人の、その時の症状と体質」に合わせて処方されたオーダーメイドです。

Aクリニックの薬もB病院の薬も混ざって余っています。全部まとめて薬局に持っていっていいですか?

はい、大歓迎です!

かかりつけ薬局の最大のメリットは「複数の病院の薬を、一元管理できること」です。どこでもらった薬か分からなくなっていても、薬剤師がすべて仕分け・確認を行います。


まとめ:余った薬は、あなたの生活を見直すサイン

「薬が余っている」ということは、決してあなたがズボラだからではありません。

「今の薬の飲み方が、あなたの生活リズムに合っていない」という体からの重要なサインです。

怒られるかも…とコソコソ捨てる前に、まずは「百名店」の薬局のカウンターで、紙袋に入れた薬を見せてみてください。

薬剤師は決してあなたを責めません。「どうすれば無理なく飲めるか」を一緒に考え、お財布にも体にも優しい解決策を必ず見つけてくれますよ。


あなたの街の「百名店」はどこ?

記事監修者 漢方薬局 嶺耀堂 薬剤師 武田 隆芳 

これまで4年間病院8年間調剤薬局で勤務。

西洋薬で様々な事を学んできましたが、身近にいる人の悩みにもっと深く関わり治していきたいという想いがあり漢方の道へ。

西洋医学・東洋学にも精通。

また人事部長の経験から人を繋ぐ取り組み企業×学生の「やくフェス」を開催。

現在100人規模の人数が集まり随時開催されている。

記事監修者 アトイ 人事・管理薬剤師 高橋 透泰

在宅特化型薬局に5年間勤務、在宅医療の経験を積む。

その経験を活かし、管理薬剤師としての役割や薬局運営にも幅広く関わりたいと考え、株式会社アトイに転職。

現在はブルーム薬局上溝店で管理薬剤師として勤務し、在宅医療に加え、学校薬剤師や薬物乱用防止活動などを通じて地域の方々と関わりながら、薬剤師としての役割を広げている。

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