こんにちは。「全国かかりつけ薬局百名店」運営事務局です。
「体調は安定しているのに、薬をもらうためだけに毎月病院へ行き、長時間待たされる…」
「診察は3分で終わるのに、会計と薬局でまた待つのは疲れる…」
そんな慢性疾患の患者様にとって、革命的とも言える制度が2022年から始まった「リフィル処方箋」です。
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まだ「聞いたことはあるけど、使い方がよく分からない」・「先生に頼みにくい」という声も多く聞かれます。
そこで今回は、現場の最前線で活躍する2名の薬剤師による監修・解説を交えながら、この制度を賢く利用する方法を深掘りします。
そもそも「リフィル処方箋」とは?
「リフィル(Refill)」とは、「詰め替え」や「おかわり」という意味。
1枚の処方箋を、最大3回まで繰り返し使用できる仕組みのことです。
これまでは「薬が切れる=病院へ行く」が常識でしたが、リフィル処方箋を使えば、2回目・3回目は「薬局に行くだけ」で薬を受け取れます。
【一覧表】通常の処方箋と何が違う?
まずは基本的な違いを整理しましょう。もっとも大きな違いは「医師の診察頻度」と「費用」です。
| 項目 | 通常の処方箋 | リフィル処方箋 |
| 有効回数 | 1回限り | 最大3回まで |
| 2回目以降 | 再度、受診が必要 | 薬局に行くだけでOK |
| 医師の診察 | 毎回必須 | 2〜3回に1回でOK |
| 2・3回目の費用 | 薬代+再診料など | 薬代のみ(再診料0円) |
医療費の節約効果について
病院に行かない回は、「再診料」や「投薬料」がかからないため、お財布に優しくなります。
さらに、お薬を「ジェネリック医薬品」に切り替えていれば、リフィル処方箋との合わせ技で医療費を大幅にカットすることも可能です。
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プロが教える「ここだけの話」
ここからは、監修の薬剤師お二人に、制度のリアルな側面を語っていただきます。
Q. 誰でも使えるの? 医師はどう判断している?
まずは、病院勤務の経験もある武田薬剤師に、「医師側の視点」を解説してもらいました。
【武田先生の解説】
「患者様からすれば『便利だから使いたい』と思うのは当然ですが、医師としては『安全性』を最優先に考えます。
私が病院にいた経験から言うと、医師がリフィルを許可する基準はシンプルです。
『症状が安定していて、しばらく診察しなくても悪化するリスクが低い』と確信できるかどうか。これに尽きます。
例えば、高血圧や脂質異常症で、ここ半年ほど薬の種類も量も変わっておらず、数値も安定している方なら可能性は高いです。逆に、新しい薬を始めたばかりの方や、体調の波が激しい方は対象外になります。
投薬量に制限がある睡眠薬や湿布薬、発売から1年以内の新薬も制度上使えません。まずは『私の今の状態で、リフィルは可能ですか?』と、医師に相談してみるのが第一歩ですね」
Q. 医師に会わない期間、体調管理は大丈夫?
次に、在宅医療(医師が常駐しない環境での医療)のプロである高橋薬剤師に、「安全性」について伺いました。
【高橋先生の解説】
「リフィル処方箋を使うと、医師の診察間隔が空くことになります。ここで重要になるのが、私たち薬剤師による『モニタリング(見守り)』です。
私は長年、在宅医療の現場で、医師がそばにいない患者様の変化をチェックしてきました。リフィル処方箋もこれと同じです。
2回目、3回目の受け取り時に、私たちはただ薬を渡すだけでなく、
『前回の受け取りから体調に変化はないか?』
『副作用の兆候が出ていないか?』
を、かなり細かく確認します。
もし少しでも『おかしいな』と感じたら、私たちがストップをかけ、医師への受診を勧めます。
ですから、リフィル処方箋を使う時こそ、あなたの普段の体質をよく知っている『かかりつけ薬局』を選んでほしいのです。知らない薬局を転々とするのは、安全管理の面でおすすめできません」
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使い方の流れと注意点(FAQ)
2回目はいつ薬局に行けばいいですか?
「次回調剤予定日」の前後7日間です。
1回目の薬を受け取った際に、薬剤師が処方箋に「次は〇月〇日頃に来てください」と記載します。その予定日の前後7日間(合計2週間ほどの期間)の間に薬局へ行ってください。期間を過ぎると無効になってしまうので注意が必要です。
途中で別の薬局に変えてもいいですか?
制度上は可能ですが、推奨されません。
高橋先生の解説にもあった通り、リフィル処方箋は「経過観察」が命です。1回目と2回目で違う薬局に行くと、体調の変化に気づきにくくなってしまいます。安全のため、3回すべて同じ「かかりつけ薬局」で受け取るようにしましょう。
お医者さんに断られることはありますか?
あります。
医学的な判断で「毎回の診察が必要」とされた場合は発行されません。無理にお願いするのではなく、まずは医師とよく相談し、治療方針に納得した上で利用しましょう。
まとめ:信頼できる「かかりつけ」と共に利用しよう
リフィル処方箋は、医療費と時間を節約できる素晴らしい制度です。
しかし、それは「医師・薬剤師・患者」の3者の信頼関係があって初めて成り立ちます。
- 武田先生の視点: 症状が安定している信頼の証として発行されるもの。
- 高橋先生の視点: 医師の代わりに薬剤師が健康を見守る期間。
この2つを理解して、ぜひ次回の診察時に主治医の先生に相談してみてください。
そして、処方箋を受け取ったら、あなたの健康を親身に見守ってくれる「百名店」の薬局へお越しください。
あなたの街の「百名店」はどこ?
記事監修者 漢方薬局 嶺耀堂 薬剤師 武田 隆芳

これまで4年間病院、8年間調剤薬局で勤務。
西洋薬で様々な事を学んできましたが、身近にいる人の悩みにもっと深く関わり治していきたいという想いがあり漢方の道へ。
西洋医学・東洋学にも精通。
また人事部長の経験から人を繋ぐ取り組み企業×学生の「やくフェス」を開催。
現在100人規模の人数が集まり随時開催されている。
記事監修者 アトイ 人事・管理薬剤師 高橋 透泰

在宅特化型薬局に5年間勤務、在宅医療の経験を積む。
その経験を活かし、管理薬剤師としての役割や薬局運営にも幅広く関わりたいと考え、株式会社アトイに転職。
現在はブルーム薬局上溝店で管理薬剤師として勤務し、在宅医療に加え、学校薬剤師や薬物乱用防止活動などを通じて地域の方々と関わりながら、薬剤師としての役割を広げている。

