一包化した薬が余ってきたら?自分で減らしてはいけない理由と3つの相談ステップ

この記事の要点

  • 一包化(いっぽうか)とは、「朝食後」「夕食後」など飲むタイミングごとに、何種類かの薬を1袋にまとめる調剤のことです。
  • 袋が余ってきても、自分の判断で袋を飛ばしたり、量を減らしたりしないでください。
  • 余った袋は薬局に持っていくか、残りの数を伝えます。薬剤師が医師に確かめ、次にもらう日数を減らしてもらえます。
  • 一包化は、ふだんのお薬代に上乗せの費用がかかり、まとめる日数で金額が変わります。

こんにちは。「全国かかりつけ薬局百名店」運営事務局です。

「引き出しに、朝の袋ばかりたまってきた」
「何袋か抜いて、数を合わせてもいいのかな」

1回分ずつ袋になっていると、飲むのはぐっと楽になります。
そのぶん、余ったときの扱いに迷う方も少なくありません。


一包化の袋は「1回分のセット」。1袋だけ減らすのとはわけが違います

一包化の袋には、そのタイミングで飲む薬が何種類もまとめて入っています。

ねらいは、飲み間違いと飲み忘れを防ぐこと。
手先が思うように動かない方でも、袋なら開けやすいという良さもあります。

ただ、1袋を飛ばすと、中に入っている薬をすべて1回ぶん抜くことになります。

袋の中から1種類だけ取り除くのも、見た目だけでは判断がつきにくいものです。
ここが、シートのままの薬とのいちばんの違いです。

【早見表】一包化した薬と、シートのままの薬の違い

項目一包化した薬シートのままの薬
1回分の取り出し袋を1つ開けるだけ1錠ずつ押し出す
飲み間違い起きにくい種類が多いと起きやすい
1種類だけ量を変える自分ではむずかしい見分けはつきやすい
費用ふだんの薬代に上乗せ上乗せなし

表のとおり、一包化は飲みやすさと引きかえに、自分で細かく変えにくいしくみです。


袋が余ってきたときの3つのステップ

在宅の現場も長い、ブルーム薬局上溝店の管理薬剤師・高橋 透泰 先生(株式会社アトイ)に、余ったときの考え方を聞きました。

【高橋先生の解説:袋が余ったときの順番】

「一包化は、複数のお薬を飲むタイミングごとに1袋にまとめる調剤方法です。飲み間違いや飲み忘れを防げます。

余ってきたときに、ご自身の判断で量を減らしたり、飛ばしたりするのはやめてください。

症状が悪くなったり、思わぬ副作用が出たりするおそれがあります。

残っているお薬を袋ごとお持ちいただくか、残りの包数を教えてください。私たちが把握して処方医に確認し、処方日数を調整します」

① 余った袋を、そのまま薬局へ持っていく

袋は開けずに、たまっている分をまとめて持っていきましょう。

持っていけないときは、「朝が何袋、夜が何袋」と残りの数を伝えるだけでも大丈夫です。

たまった袋を見せたら叱られるのでは、と心配になるかもしれません。
薬剤師にとっては、日数を合わせるための大事な手がかりです。

② 薬剤師が、処方した医師に確認する

残りの数を聞いた薬剤師は、処方した医師に連絡します。

医師に直接言い出しにくくても、薬局のカウンターで伝えれば話が届きます。

病院への連絡は薬剤師が受け持つので、あなたが電話をかける必要はありません。

③ 次にもらう日数を減らしてもらう

医師の了解が出れば、余っている分を差し引いた日数で用意されます。
これを減数調剤(げんすうちょうざい)といいます。

日数が短くなれば、そのぶんお薬代も少なくてすみます。
余った袋は、むだにせず使い切れます。

一包化していない薬も含めた、余った薬全般の相談のしかたはこちらです。

なお、朝の袋ばかり残るなら、飲み忘れやすい時間帯があるのかもしれません。
その場合の工夫は、下の記事で扱っています。


一包化の費用と頼み方

一包化には、ふだんのお薬代とは別に「外来服薬支援料2」という費用がかかります。

金額は、何日分をまとめるかで変わります。窓口でのお支払いの目安は次のとおりです。

まとめる日数3割負担の方1割負担の方
14日分200円ほど70円ほど
28日分400円ほど140円ほど
43日分以上720円ほど240円ほど

たとえば28日分なら、3割負担の方で受け取るたびに400円ほどが上乗せされるイメージです。
※点数は国が決めており、改定のたびに金額が動くことがあります。

頼み方は2通りです。
ひとつは、受診のときに医師へ相談し、処方箋に指示を書いてもらう方法。

もうひとつは、薬局の窓口で薬剤師に相談する方法です。
薬剤師から医師に必要性を伝え、了解を得てもらうこともできます。

一包化は、用意に時間のかかる調剤です。
処方箋を先に送れる薬局なら、待ち時間を短くできます。


よくある質問(FAQ)

一包化の袋から、1種類だけ抜いて飲んでもいいですか?

ご自身では抜かずに、薬剤師へ相談してください。

袋の中の薬は、形や色が似ていることがあります。
どれを抜くかの判断は、医師と薬剤師にまかせるのが確実です。

余った袋は、いつ持っていけばいいですか?

次に処方箋を出すときに、あわせて持っていくのがおすすめです。

その場で数を確かめられるので、日数の調整につなげやすくなります。
数えるのが大変なら、袋のまま渡してかまいません。

一包化をやめて、シートに戻すこともできますか?

まずは薬局で相談してみてください。

一包化は、医師の指示や了解のうえで行う調剤です。
やめたいときも、薬剤師から医師へ伝えてもらう流れになります。


まとめ:余った袋は、抜かずに数えて薬局へ

一包化の袋は、何種類もの薬が入った「1回分のセット」です。

余ってきたら、袋を飛ばして数を合わせるのではなく、袋ごと持っていくか、残りの数を伝える。

あとは薬剤師が医師と話をつけ、次の日数を合わせてくれます。

費用は日数で変わるので、気になる方は窓口で聞いてみてください。
袋がたまっていることは、恥ずかしいことではありません。


あなたの街の「百名店」はどこ?

記事監修者 アトイ 人事・管理薬剤師 高橋 透泰

在宅特化型薬局に5年間勤務、在宅医療の経験を積む。

その経験を活かし、管理薬剤師としての役割や薬局運営にも幅広く関わりたいと考え、株式会社アトイに転職。

現在はブルーム薬局上溝店で管理薬剤師として勤務し、在宅医療に加え、学校薬剤師や薬物乱用防止活動などを通じて地域の方々と関わりながら、薬剤師としての役割を広げている。

記事監修者 株式会社アトイ・管理薬剤師 

  • 青森県弘前市出身 日本薬科大学卒業
  • 卒業後は大学病院の門前の調剤薬局に勤務
  • 地域のかかりつけ薬剤師を目指し吉祥寺エリアで勤務
  • その後株式会社アトイに入社現在に至る

卒業してから調剤薬局一筋の経験を活かし、人材育成や教育に携わっていきたいと考え入社しました。

現在はあやめ薬局井草八幡店という店舗で管理薬剤師をして地域の方々の憩いの場として関わらせていただいてます。