薬をなくした・落としたらどうする?もう一度もらう3つの手順と費用の注意点

この記事の要点

  • 薬をなくしたら、まず身の回りと、通った道・立ち寄った場所をもう一度探します。
  • 見つからなければ、あらためて受診して医師に相談します。医師が必要と判断すれば、同じ薬を出してもらえます。
  • なくした・落とした・うっかり捨てたなどの理由でもらい直す場合、原則として健康保険が使えず、全額(10割)自己負担です。
  • 薬局の在庫から、処方箋なしで同じ薬を分けてもらうことはできません。

こんにちは。「全国かかりつけ薬局百名店」運営事務局です。

「旅行カバンを開けたら、薬の袋が見当たらない」
「紙袋ごと、ごみに出してしまったかもしれない」

毎日飲んでいる薬ほど、手元にないと落ち着きませんよね。
もう一度もらう道はあります。ただし、費用には気をつけてください。


「薬局に行けば、もう一度もらえる」わけではありません

いつもの薬局に行けば、同じ薬を出してもらえそうな気がします。
ところが、薬局だけではもう一度お渡しできません。

処方箋で出す薬は、医師の処方があってはじめて渡せるものです。
前回の処方箋は、薬を受け取った時点で使い終わっています。

そのため、なくした薬をもう一度もらうには、医師にあらためて処方してもらう必要があります。

【早見表】なくしたものごとの相談先

なくしたものまず相談するところポイント
受け取ったあとの薬処方した医療機関原則として全額自己負担
薬局に出す前の処方箋処方箋を出した医療機関使える期間にも注意
お薬手帳いつもの薬局新しい手帳をもらえる

表のとおり、薬そのものをなくしたときは、医療機関が相談先になります。


薬をなくしたときの3つのステップ

① 身の回りと、立ち寄った場所を探す

まずは家の中、カバン、車の中。
その日に通った道や、立ち寄ったお店も思い出してみてください。

薬の袋は、ほかの買い物袋にまぎれて見つかることもあります。

外出先で気づいたときは、立ち寄ったお店や駅の忘れ物の窓口に問い合わせるのも手です。

② 見つからなければ、受診して医師に相談する

探しても出てこないときは、薬を出してもらった医療機関にかかります。
受付で「前回の薬をなくしてしまった」と最初に伝えると、話がスムーズです。

このとき、お薬手帳か、薬と一緒にもらった説明書を持っていくと話が早く進みます。
何の薬を何日分なくしたのか、正確に伝えられるからです。

薬局で実際にどう案内しているのか。株式会社アトイが運営するブルーム薬局上溝店で管理薬剤師を務める、高橋 透泰 先生に聞きました。

【高橋先生の解説:窓口での案内の順番】

「お薬をなくしたとご相談を受けたら、まずは身の回りや、移動した経路を探していただくようお願いしています。

それでも見つからない場合は、再受診をご案内し、医師に再処方の指示を仰いでいただきます。

医師が医療上必要と判断すれば、同じお薬をもう一度処方・調剤してもらうことはできます。

ただ、紛失や落としてしまった、誤って捨ててしまったなど、ご自身の過失による再処方は、原則として健康保険が適用されません」

③ 新しい処方箋を、いつもの薬局へ出す

新しい処方箋が出たら、できれば前回と同じ薬局に出しましょう。

窓口では、「前回の分をなくして、もらい直しです」とひと言そえてください。
薬剤師が事情をつかんだうえで準備に入れます。

前回の記録と照らし合わせられるので、なくした分と同じ内容かどうかを確かめてもらえます。


費用は原則として「全額自己負担」になります

なくした薬のもらい直しは、原則として健康保険が使えません。

ふだん3割や1割で払っている方も、10割を窓口で払うことになります。

対象は薬の代金だけではありません。
診察の再診料、薬局の調剤の手数料も、すべて全額の負担です。

たとえば3割負担でいつも1,500円の方なら、単純に計算して5,000円ほどです。
薬の種類や日数が多いほど、差は大きくなります。

だからこそ、なくさない工夫がいちばんの節約です。
薬の置き場所を家の中で1か所に決めておくだけでも、見失いにくくなります。

旅行や出張のときは、何日分かを別のカバンに分けて入れておく方法もあります。
ひとつをなくしても、すべてが手元から消えずにすみます。

置き場所の選び方は、こちらの記事が参考になります。


よくある質問(FAQ)

薬を床に落として使えなくなりました。これも全額自己負担ですか?

原則として、全額自己負担になります。

なくした場合と同じく、ご自身の過失によるもらい直しとして扱われます。
くわしい扱いは、受診する医療機関で確かめてください。

いつもの薬局に在庫があれば、数日分だけ分けてもらえませんか?

処方箋が必要な薬は、処方箋なしではお渡しできません。

在庫があっても、医師の処方が先になります。
どこを受診すればよいか迷うときは、薬局に電話で相談してみてください。

なくしたのが薬ではなく、処方箋やお薬手帳だったときは?

相談先が変わります。

処方箋は、出してくれた医療機関へ連絡します。
お薬手帳は、いつもの薬局で新しいものをもらえます。

処方箋の使える期間と、切れたときの動き方はこちら。

お薬手帳をもらい直すときの頼み方は、下の記事で紹介しました。


まとめ:探して、なければ受診。費用は原則10割

薬をなくしたら、まずは身の回りと通った道を探します。

見つからなければ受診して、医師に事情を話してください。
お薬手帳があると、なくした薬を正確に伝えられます。

もらい直しの費用は、原則として全額自己負担です。
薬の置き場所を1か所に決めて、なくさない習慣をつけておきましょう。

困ったときに気軽に電話できる薬局がひとつあると、こんな場面でも心強いものです。


あなたの街の「百名店」はどこ?

記事監修者 アトイ 人事・管理薬剤師 高橋 透泰

在宅特化型薬局に5年間勤務、在宅医療の経験を積む。

その経験を活かし、管理薬剤師としての役割や薬局運営にも幅広く関わりたいと考え、株式会社アトイに転職。

現在はブルーム薬局上溝店で管理薬剤師として勤務し、在宅医療に加え、学校薬剤師や薬物乱用防止活動などを通じて地域の方々と関わりながら、薬剤師としての役割を広げている。

記事監修者 いちょう薬局 人事担当・管理薬剤師 氏家 大我

星薬科大学卒業後、2023年に新卒でいちょう薬局へ入社。

入社わずか2年目で管理薬剤師と新卒採用担当に抜擢される。

「薬剤師業務×採用」の二刀流で毎日楽しく働きながら、将来的には独立も視野に入れ活動中。

中小規模だからこそ実現できる「圧倒的な成長スピード」を体現する若手エース。