子どもの薬の量は体重で決まる?大人の薬を割ってはいけない理由と3つの注意点を薬剤師が解説

この記事の要点

  • 子どもの薬の量は、体重をもとに1人ずつ決められることが多いです。年齢で目安を決める薬もあります。
  • 同じ薬でも、体重が変われば量が変わることがあります。前回の残りや、きょうだいの薬は使わないでください。
  • 大人の薬を割って飲ませるのは避けてください。子どもには使わない成分もあるためです。
  • 薬局で体重を聞かれるのは、処方された量がその子に合っているかを確かめるためです。

こんにちは。「全国かかりつけ薬局百名店」運営事務局です。

「上の子の薬が残っているから、下の子にも飲ませていい?」
「大人の薬を半分にすれば、子どもにも使えるのでは?」

夜中に熱が出たとき、手元にある薬に手が伸びるのは自然なことです。
ただ、子どもの薬には、大人とは違う量の決め方があります。


子どもの薬は「大人の量を減らしたもの」ではありません

子どもの薬の量は、大人の量をただ少なくしたものではありません。

多くの場合、「体重1kgあたり何mg」という形で、1人ずつ計算されます。
年齢で目安を決める薬や、身長と体重から計算する薬もあります。

同じ5歳でも、体重が15kgの子もいれば22kgの子もいます。
体重を基準にしたほうが、その子に合った量に近づけやすいのです。

また、体の中で薬を分解したり、外へ出したりする働きも、年齢によって大人と違うとされています。

診察のときに医師が体重をたずねるのも、この計算のためです。

【早見表】大人の薬と子どもの薬、何が違う?

項目大人子ども
量の決め方決まった量が基本のことが多い体重や年齢で1人ずつ
よく使う形錠剤・カプセル粉薬・シロップ
使える成分大人向けの成分子どもには使わない成分がある
薬局で体重を聞かれることは少ない聞かれることが多い

表を一言でいうと、子どもの薬は「その子の体に合わせて量を決めた薬」だということです。粉薬やシロップが多いのも、量を細かく合わせやすいからです。


量が体重で決まるから気をつけたい、3つのこと

① きょうだいの薬を使い回さない

同じ病名、同じ薬の名前でも、きょうだいで体重が違えば、量も違います。

上の子に合わせた量を下の子に飲ませると、多すぎることがあります。
反対に、下の子の薬を上の子に使うと、足りないこともあります。

見た目がそっくりな粉薬でも、1包に入っている量はその子に合わせて分けられています。

飲ませる前に、薬の袋に書かれた名前を一度見る。
この習慣があるだけで、きょうだいでの取り違えを防ぎやすくなります。

② 前にもらった残りの薬を使わない

子どもは、数か月で体重が大きく変わります。
半年前の量が、いまも合っているとは限りません。

とくに赤ちゃんから幼児のうちは、成長が早い時期です。
前の受診から間があいているほど、合う量が変わっている可能性があります。

シロップのように、開けたあと長く取っておけないものもあります。
残った薬を使う前に、一度薬局に相談してください。

シロップや粉薬の置き場所については、こちらの記事をどうぞ。

③ 大人の薬を割って飲ませない

大人の錠剤を半分や4分の1に割っても、子どもに合う量になるとは限りません。

成分によっては、子どもには使わないことになっている薬もあります。
量だけの問題ではないのです。

「子ども用」と書かれた市販薬でも、年齢の区分ごとに1回の量が分けられているものがあります。
飲ませる前に、箱の表示を読んでください。

市販薬の箱や説明書にも、何歳から使えるか、何歳未満には飲ませないかが書かれています。
対象の年齢に届かない場合は、使わずに薬局や医療機関に相談してください。


薬局で体重を聞かれたら、分かる範囲で答えてください

子どもの処方箋を出すと、薬局で体重を聞かれることがあります。

これは、処方された量がその子の体重に対して多すぎないか、少なすぎないかを見直すためです。

気になる点があれば、薬剤師から医師に問い合わせます。
おおよその数字でも、分からないままより確認の手がかりになります。

お薬手帳のメモ欄に、測った日と体重を書いておくのもおすすめです。
聞かれたときに、あわてずに答えられます。

なお、子どもが薬をいやがるときの飲ませ方の工夫は、下の記事で紹介しました。


よくある質問(FAQ)

薬局で子どもの体重を聞かれるのはなぜですか?

処方された量が、その子に合っているかを確かめるためです。

子どもの薬は体重をもとに量が決まることが多いため、体重が分かると量の見直しがしやすくなります。
診察のときに医師へ伝えた数字で構いません。

最近体重を測っていません。だいたいでいいですか?

分かる範囲で構いません。「最近は測っていない」と添えてください。

最後に測った時期と数字を伝えるだけでも、確認の助けになります。
母子手帳や健診の記録に書いてあれば、それを見ながら答えるのも一つの方法です。

体重が増えたら、家で薬の量を増やしたほうがいいですか?

自分で量を変えずに、次の受診のときに相談してください。

薬の量を決めるのは医師です。
「前の診察から体重がだいぶ増えた」と伝えれば、いまの体重に合わせて考えてもらえます。

飲ませ忘れたときも同じです。
次の分と合わせて多めに飲ませるのではなく、薬局に聞いてから決めてください。


まとめ:子どもの薬は「その子の体重に合わせた、その子専用の薬」です

子どもの薬の量は、体重や年齢をもとに1人ずつ決められています。

だからこそ、きょうだいの薬・前回の残り・大人の薬で代わりにするのは避けてください。

薬局で体重を聞かれたら、分かる範囲で答えてください。
それが、量をもう一度見直す手がかりになります。

手元の薬を使うか迷ったら、使う前に薬局へ電話を一本。
処方箋を受け取った薬局なら、その子の記録を見ながら答えてもらえます。


あなたの街の「百名店」はどこ?

記事監修者 いちょう薬局 人事担当・管理薬剤師 氏家 大我

星薬科大学卒業後、2023年に新卒でいちょう薬局へ入社。

入社わずか2年目で管理薬剤師と新卒採用担当に抜擢される。

「薬剤師業務×採用」の二刀流で毎日楽しく働きながら、将来的には独立も視野に入れ活動中。

中小規模だからこそ実現できる「圧倒的な成長スピード」を体現する若手エース。

記事監修者 漢方薬局 嶺耀堂 薬剤師 武田 隆芳 

これまで4年間病院、8年間調剤薬局で勤務。

西洋薬で様々な事を学んできましたが、身近にいる人の悩みにもっと深く関わり治していきたいという想いがあり漢方の道へ。

西洋医学・東洋学にも精通。

また人事部長の経験から人を繋ぐ取り組み企業×学生の「やくフェス」を開催。

現在100人規模の人数が集まり随時開催されている。