薬局は毎回変えてもいい?違う薬局に行くときの3つの注意点を薬剤師が解説

この記事の要点

  • 薬局は毎回同じでなくても構いません。処方箋は保険薬局ならどこにでも出せて、変えるための手続きも基本的には要りません。
  • ただし薬局を変えると、前の薬局に残っている記録は、新しい薬局からは見えないことがあります。
  • 違う薬局に行くときは、お薬手帳を1冊にまとめて出す・アレルギーを伝える・在庫を確かめるの3つを意識してください。
  • 初めての薬局では、窓口のお支払いが少し高くなる場合があることも知っておくと安心です。

こんにちは。「全国かかりつけ薬局百名店」運営事務局です。

「いつもの薬局が休みだから、今日は別のところで……」
「薬局を変えたら、前の薬局に悪いかな」

引っ越し、転職、通う病院が変わった。
薬局を変えたくなる理由は、人それぞれです。結論からいうと、変えて構いません。


薬局は「一度決めたら通い続ける場所」ではありません

「かかりつけ薬局を持ちましょう」と聞くと、ほかの薬局に行ってはいけないように感じるかもしれません。

でも実際は、処方箋は保険薬局であればどこにでも出せます。
前の薬局に断りを入れる決まりもありません。

旅行先で急に薬が必要になった。職場の近くのほうが寄りやすくなった。
そんなときに別の薬局を使うのは、ごく普通のことです。

気をつけたいのは、変えることそのものではありません。
変えたときに「薬の情報が途切れること」です。

【早見表】いつも同じ薬局と、その都度違う薬局、何が違う?

項目いつも同じ薬局その都度違う薬局
これまでの薬の記録薬局に残っているお薬手帳が頼り
アレルギー・体質一度伝えれば共有される行くたびに伝える
初回の問診票最初の1回だけ毎回書くことが多い
いつもの薬の在庫用意してもらいやすい取り寄せになることがある
窓口のお支払い条件によって抑えられる少し高くなる場合がある

表を一言でいうと、違う薬局に行くほど「自分の情報を運ぶ役」が自分に回ってくるということです。


違う薬局に行くときの3つの注意点

薬局を変えても困らないように、次の3つを押さえておきましょう。

① お薬手帳は1冊にまとめて、毎回見せる

薬局どうしは、あなたの薬の記録をいつもやりとりしているわけではありません。

新しい薬局の薬剤師が、ほかの病院で出た薬を知る手がかりは、多くの場合お薬手帳です。

薬局ごと、病院ごとに手帳を分けると、どこかで記録が抜け落ちます。
手帳は1冊にまとめて、どの薬局でも同じ手帳を出してください。

スマホのアプリを使っている方も、いくつものアプリに分けないことが大切です。

② アレルギーや合わなかった薬は、初めての薬局で改めて伝える

初めての薬局では、問診票(体質や飲んでいる薬を書く用紙)を渡されることがあります。

面倒に感じても、アレルギーや、以前に合わなかった薬は省かずに書いてください。

前の薬局で伝えたことは、新しい薬局には届いていません。
市販薬やサプリを飲んでいる場合も、ここで書き添えておくと確認が早く進みます。

③ いつもと違う薬局では、在庫を先に確かめる

薬局によって、置いている薬は違います。
いつもの薬が、その薬局にはないこともあります。

取り寄せになると、受け取りが翌日以降になる場合があります。
行く前に電話で聞くか、処方箋の写真を先に送れるかを確かめておくと安心です。

日をまたいで持ち歩くときは、処方箋の使える期間にも注意してください。
交付の日を含めて4日以内と決められています。


「急なときは別の薬局」と「ふだんは1か所」は両立できます

ここまで読むと、「やっぱり1か所に決めたほうがいいの?」と迷うかもしれません。

おすすめは、ふだん使いの薬局を1か所決めて、急なときだけ別の薬局を使うという形です。

旅先や休日に別の薬局を使っても、お薬手帳に記録が残っていれば、いつもの薬局に戻ったときに話がつながります。

窓口のお支払いにも関わります。
初めての薬局では、お薬手帳を出しても基本の料金が少し高くなるしくみがあるためです。

金額の目安と、安くなる条件は下の記事にまとめてあります。

「1か所に決める」といっても、会員登録のような手続きが要るわけではありません。
かかりつけ薬局の考え方は、こちらで紹介しています。


よくある質問(FAQ)

薬局を変えるとき、前の薬局に伝える必要はありますか?

基本的には、伝えなくても構いません。

処方箋をどこに出すかは、あなたが自由に選べます。
ただし「かかりつけ薬剤師」の同意書にサインしている場合は、その薬局に一言伝えておくと話が早く進みます。

病院ごとに、違う薬局を使い分けてもいいですか?

使い分けること自体はできます。

ただ、それぞれの薬局が記録しているのは、基本的にその薬局で受け取った薬です。
飲み合わせを見てもらうために、どの薬局にも同じお薬手帳を出してください。

マイナ保険証を使えば、お薬手帳がなくても前の薬が伝わりますか?

伝わる場合もありますが、お薬手帳はまだ手放さないでください。

マイナ保険証で見られる薬の情報は、反映されるまでに時間差があるとされています。
数日前にもらった薬が、まだ表示されないこともあります。

※マイナ保険証の運用は、今後変わっていく可能性があります。


まとめ:薬局は変えていい。変えるときは「手帳」で情報をつなぐ

薬局は、毎回同じでなくても構いません。
処方箋はどの保険薬局にも出せて、前の薬局への断りも要りません。

気をつけたいのは、薬局を変えるたびに、薬の記録が途切れやすくなることです。

お薬手帳を1冊にまとめる。アレルギーを伝える。在庫を確かめる。
この3つを押さえておけば、どの薬局でも話がつながります。

そのうえで、ふだん使いの1か所があると、体調が悪い日にも頼りになります。


あなたの街の「百名店」はどこ?

記事監修者 アトイ 人事・管理薬剤師 高橋 透泰

在宅特化型薬局に5年間勤務、在宅医療の経験を積む。

その経験を活かし、管理薬剤師としての役割や薬局運営にも幅広く関わりたいと考え、株式会社アトイに転職。

現在はブルーム薬局上溝店で管理薬剤師として勤務し、在宅医療に加え、学校薬剤師や薬物乱用防止活動などを通じて地域の方々と関わりながら、薬剤師としての役割を広げている。

記事監修者 株式会社アトイ・管理薬剤師 

  • 青森県弘前市出身 日本薬科大学卒業
  • 卒業後は大学病院の門前の調剤薬局に勤務
  • 地域のかかりつけ薬剤師を目指し吉祥寺エリアで勤務
  • その後株式会社アトイに入社現在に至る

卒業してから調剤薬局一筋の経験を活かし、人材育成や教育に携わっていきたいと考え入社しました。

現在はあやめ薬局井草八幡店という店舗で管理薬剤師をして地域の方々の憩いの場として関わらせていただいてます。