この記事の要点
- お薬手帳は、薬局の受付で「お薬手帳をください」と言えばもらえます。申し込みや手続きは要りません。
- 「手帳だけください」と頼んで構いません。遠慮する必要はまったくありません。
- シールをもらい忘れたときは、次に行ったときに「前回の分もください」と伝えてください。自分で貼って大丈夫です。
- やってはいけないのは「薬局ごとに手帳を分けてしまうこと」。1冊にまとめてこそ意味があります。
こんにちは。「全国かかりつけ薬局百名店」運営事務局です。
「お薬手帳って、どこでもらえるの?」
「手帳だけくださいって、言ってもいいのかな……」
忙しそうな薬局の受付で、こちらから何かを頼むのは気が引ける。そう感じる方は少なくありません。
ところが、現役の薬剤師に聞いてみると、意外な答えが返ってきました。
「『手帳だけください』と言われたことは、今までの経験上ありません」
つまり、遠慮しているのは患者さんのほうだけ。薬局は、むしろ渡したいと思っています。
今回は、お薬手帳のもらい方と、もらい忘れたときの対応をまとめます。
お薬手帳は「その場でください」と言えば渡してもらえます
お薬手帳は、調剤を行っている薬局であれば、たいてい受付に置いてあります。
事前の申し込みや、会員登録のようなものは必要ありません。処方箋を出すときに、ひと言そえるだけです。
言い方に決まりはありませんが、いちばん伝わるのはこれです。
「お薬手帳を持っていないので、1冊いただけますか」
【比較表】こんなとき、もらえる?
| こんなとき | どうなる? |
| 処方箋を出すとき | その場でもらえます |
| 市販薬だけを買いに来たとき | 薬局によります。まず聞いてみてください |
| 薬をもらう予定がない日 | もらえます(新しく作りたい方・なくした方など) |
| すでに1冊持っている | 基本は増やさず、その1冊を使い続けます |
迷ったら、行く前に電話で「お薬手帳をいただけますか」と聞いておくと確実です。
「手帳だけください」は、まったく失礼ではありません
「薬も買わずに手帳だけもらうのは、図々しいのでは」
そう思って言い出せない方がいらっしゃいますが、薬剤師側はまったくそう思っていません。
理由は単純です。手帳を持っている人が増えるほど、飲み合わせの事故を防げるからです。
薬剤師にとって、お薬手帳は「渡したいもの」であって、「出し惜しみするもの」ではありません。
むしろ、持っていないまま何年も過ごしてしまうほうが心配です。災害時や、急に別の病院にかかったときに、いつも飲んでいる薬を伝えられなくなります。
カウンターの側からはどう見えているのか、いちょう薬局で人事も担当する管理薬剤師・氏家 大我 先生に伺いました。
【氏家先生の解説:カウンターからのお願い】
「実は、『手帳だけください』と言われたことは、今までの経験上ありません。
こちらからは、お持ちでない方に『お薬の履歴を残しておくと、飲み合わせや重複した薬の確認ができるので安心ですよ』とお伝えしています。初めての方には、その場でお薬手帳をお渡しすることも多いです。
新しくお薬手帳を作りたい方や、手帳をなくしてしまった方には、お薬がない日でもお渡ししています。シールをお忘れの回の分も、次回いらしたときに声をかけていただければ対応しています。
何冊もお持ちの方には、1冊にまとめることをおすすめしています。お薬の履歴が分かれてしまうと、飲み合わせや重複処方の確認がしづらくなるためです。
新しい手帳に切り替える場合も、これまで使っていた手帳は捨てずに保管しておいてくださいね」
シールをもらい忘れた・貼っていないとき
「手帳を忘れて薬局に行ったので、シールをもらえなかった」
「もらったシールが、家に貯まったままになっている」
どちらもよくあることです。あわてなくて大丈夫です。
忘れた回のぶんは、次に行ったときに頼めます
薬局には、あなたが受け取ったお薬の記録が残っています。
次に行ったときに「前回の分のシールもいただけますか」と伝えれば、出してもらえることがほとんどです。
貯まったシールは、自分で貼って構いません
薬局で貼ってもらう決まりはありません。日付の順になるように、空いているページに貼ってください。
そのとき、「この薬を飲んでどうだったか」を余白にひと言そえておくと、次の相談がぐっと具体的になります。
よくある質問(FAQ)
薬局ごとに手帳をもらってしまい、何冊もあります。どうすれば?
これから使う1冊を決めて、それだけを持ち歩いてください。
手帳が分かれていると、薬剤師は全体を見られません。飲み合わせの確認ができなくなり、手帳を持っている意味がほとんどなくなってしまいます。
残りの手帳は、薬局に持っていって相談してください。まとめ方を一緒に考えてもらえます。
1冊目がいっぱいになりました。古い手帳は捨てていいですか?
すぐには捨てず、家に保管しておくことをおすすめします。
過去にどんな薬を飲んで、どうだったか。とくに合わなかった薬の記録は、何年経っても役に立ちます。
新しい手帳の最初のページに「以前○○が合わなかった」と書き写しておくと、さらに安心です。
お薬手帳をなくしてしまいました。
新しい1冊をもらって、そこから再開すれば大丈夫です。
いつも行っている薬局には記録が残っているので、「以前もらっていた薬を書いておきたい」と相談してみてください。
あわせて、なくしにくいアプリ版に切り替えるのも一つの方法です。
まとめ:ひと言、声をかけるだけです
お薬手帳をもらうのに、難しい手続きはありません。
「お薬手帳をください」。この一言で受け取れます。
大切なのは、もらったあとです。1冊にまとめて、持ち歩くこと。それだけで、薬剤師が見られる情報が一気に増えます。
手帳に何を書き込むと役に立つのかは、こちらにまとめています。

スマートフォンで管理したい方は、こちらもどうぞ。
あなたの街の「百名店」はどこ?
記事監修者 漢方薬局 嶺耀堂 薬剤師 武田 隆芳

これまで4年間病院、8年間調剤薬局で勤務。
西洋薬で様々な事を学んできましたが、身近にいる人の悩みにもっと深く関わり治していきたいという想いがあり漢方の道へ。
西洋医学・東洋学にも精通。
また人事部長の経験から人を繋ぐ取り組み企業×学生の「やくフェス」を開催。
現在100人規模の人数が集まり随時開催されている。
記事監修者 いちょう薬局 人事担当・管理薬剤師 氏家 大我

星薬科大学卒業後、2023年に新卒でいちょう薬局へ入社。
入社わずか2年目で管理薬剤師と新卒採用担当に抜擢される。
「薬剤師業務×採用」の二刀流で毎日楽しく働きながら、将来的には独立も視野に入れ活動中。
中小規模だからこそ実現できる「圧倒的な成長スピード」を体現する若手エース。



