この記事の要点
- 薬を飲み忘れても、2回分をまとめて飲むのは避けてください。体の中の薬の量が一気に増えてしまいます。
- 基本の考え方は「気づいた時点で1回分。ただし、次に飲む時間が近いなら1回とばす」です。
- ただし、この考え方が当てはまらない薬もあります。迷ったら、薬をもらった薬局に電話で確認するのがいちばん確実です。
- 飲み忘れが続くときは、がんばって覚えるのではなく仕組みで防ぐ。服薬カレンダーや一包化など、薬局に相談できる工夫があります。
こんにちは。「全国かかりつけ薬局百名店」運営事務局です。
「あっ、昼の薬を飲み忘れてた……」
「夜に2回分まとめて飲めば、帳尻が合うかな?」
毎日きちんと飲んでいる方でも、飲み忘れは起こります。
大事なのは、そのあとの動き方です。実は「2回分まとめて飲む」は、いちばん避けたい対処なのです。
「2回分まとめて飲む」を避けてほしい理由
帳尻合わせのつもりでも、体の中では帳尻が合いません。
薬は、体の中の薬の量がちょうどよく保たれるように、飲む量と間隔が決められています。2回分を一度に飲むと、その量が一気に増え、薬の働きが強く出すぎてしまうおそれがあります。
「飲み忘れたのに、飲みすぎになる」。これが、まとめ飲みのこわいところです。
【早見表】気づいたタイミング別・基本の考え方
| 気づいたタイミング | 基本の考え方 |
| 飲むはずの時間の少しあと | 気づいた時点で、1回分を飲む |
| 次に飲む時間が近い | 忘れた分はとばして、次の分から普段どおりに |
| 迷ったとき | 自分で決めず、薬をもらった薬局に電話で確認 |
これはあくまで、一般的な考え方です。
「次に飲む時間が近い」の目安も薬によって違うため、迷ったら確認、が基本です。
この考え方が当てはまらない薬もあります
早見表はあくまで基本形で、「基本の考え方」が通用しない薬もあります。たとえば、次のようなタイプです。
- 1日1回タイプの薬:飲む時間が大きくずれたとき、その日の分をどう扱うかが薬によって変わります
- 食事と関係の深い薬:「食直前」に飲む薬の中には、食事が終わってからでは意味が変わってしまうものがあります
- 飲み方に細かい決まりがある薬:起きてすぐ、コップ1杯の水で、と決められている薬もあります
「自分の薬はどれに当たるんだろう?」と思ったら、そこが電話のかけどきです。
処方箋がなくても、電話だけの相談で大丈夫です。「いつ飲み忘れて、いま何時か」を伝えれば、薬剤師がその薬に合わせて答えてくれます。
お薬手帳が手元にあると、話がさらに早くなります。
逆に、薬局のほうから電話がかかってくる場合もあります。どんなときにかけているのかは、下の記事にまとめました。

飲み忘れは「根性」ではなく、仕組みで防ぐ
飲み忘れが続くと、「自分がだらしないからだ」と落ち込む方がいます。
そうではありません。覚えておく仕組みがないだけです。
① 服薬カレンダー・お薬ケース
曜日と朝・昼・夜のポケットに、1週間分をセットしておく方法です。
「飲んだかどうか」が目で見て分かるので、飲み忘れにも飲みすぎにも気づけます。在宅医療の現場でも使われている、定番の方法です。
② 一包化(いっぽうか)
一包化とは、飲む1回分の薬を、まとめて1袋にしてもらう方法のことです。薬の種類が多い方ほど役に立つ方法で、袋に日付や「朝」「夜」を印字してもらえることもあります。
対応できるかどうかは薬によるため、薬局に相談してみてください。
③ スマホのアラームと、生活の動作にひもづける
飲む時間にアラームを鳴らすだけでも、飲み忘れはぐっと減ります。
「歯みがきの前に飲む」「食卓の同じ場所に置く」のように、毎日決まってやる動作とセットにするのも、よく知られた工夫です。
よくある質問(FAQ)
うっかり2回分まとめて飲んでしまいました。どうすればいいですか?
まず、薬をもらった薬局か、処方した医療機関に電話で伝えてください。
薬の種類によって対応が変わるため、「様子見でいいか」を自分で決めないのがいちばんです。
いつもと違う強い眠気やふらつきなど、気になる変化があるときは、早めに連絡してください。
飲み忘れが多くて薬が余っています。正直に言うと、怒られませんか?
怒られません。むしろ、薬剤師が知りたい情報です。
余った薬は、次の調剤で日数を調整できる場合があります。お薬代の節約につながることもあるので、袋ごと薬局に持って行ってみてください。
くわしくは、下の記事で解説しています。
子どもの薬を飲ませ忘れました。同じ考え方でいいですか?
基本の考え方は同じですが、大人より慎重に確認してください。
子どもの薬は、体重や年齢に合わせて量が細かく決められていることが多いためです。
かかりつけの薬局に電話で聞くのが、いちばん早くて確実です。

まとめ:まとめ飲みはしない。迷ったら薬局に電話
飲み忘れは、誰にでも起こります。
覚えておいてほしいのは、「2回分まとめて飲まない」。これだけです。
基本は「気づいた時点で1回分。次が近ければ1回とばす」。
そして当てはまらない薬もあるからこそ、迷ったら、薬をもらった薬局に電話してください。
かかりつけの薬局を決めておくと、こうした「ちょっと聞きたい」の電話がしやすくなります。あなたの薬の記録が残っているので、答えも早くて正確です。
あなたの街の「百名店」はどこ?
記事監修者 漢方薬局 嶺耀堂 薬剤師 武田 隆芳

これまで4年間病院、8年間調剤薬局で勤務。
西洋薬で様々な事を学んできましたが、身近にいる人の悩みにもっと深く関わり治していきたいという想いがあり漢方の道へ。
西洋医学・東洋学にも精通。
また人事部長の経験から人を繋ぐ取り組み企業×学生の「やくフェス」を開催。
現在100人規模の人数が集まり随時開催されている。
記事監修者 アトイ 人事・管理薬剤師 高橋 透泰

在宅特化型薬局に5年間勤務、在宅医療の経験を積む。
その経験を活かし、管理薬剤師としての役割や薬局運営にも幅広く関わりたいと考え、株式会社アトイに転職。
現在はブルーム薬局上溝店で管理薬剤師として勤務し、在宅医療に加え、学校薬剤師や薬物乱用防止活動などを通じて地域の方々と関わりながら、薬剤師としての役割を広げている。



