頓服とは?いつ飲む・何時間あける・1日何回までの3つの目安を薬剤師が解説

この記事の要点

  • 頓服(とんぷく)とは、症状が出たときだけ飲む薬のことです。毎日決まった時間に飲む薬とは、飲み方のルールが違います。
  • 頓服は薬の形ではなく「飲み方」の名前です。粉薬だけでなく、錠剤やカプセルの頓服もあります。
  • 見るのは、薬袋(やくたい)に書かれた「いつ飲むか」「何時間あけるか」「1日何回まで」の3つです。
  • 症状が出なければ飲まなくてよく、「飲み忘れ」という考え方はありません。余った分は、次の受診のときに伝えます。

こんにちは。「全国かかりつけ薬局百名店」運営事務局です。

「薬袋に『頓服』って書いてあるけど、これって何?」
「痛いときに飲む薬、1日に何回まで飲んでいいの?」

薬の袋に見慣れない言葉があると、それだけで不安になりますよね。
頓服は、飲み方のルールさえ分かれば、むずかしい薬ではありません。


頓服は「粉薬」のことではありません

頓服(とんぷく)とは、症状が出たときに、その都度1回ぶんを飲む薬のことです。
「痛いとき」「熱が高いとき」「眠れないとき」など、飲む場面が決まっています。

昔は粉薬の頓服が多かったため、「頓服=粉薬」と思っている方もいます。
いまは錠剤やカプセル、坐薬にも頓服があります。頓服は、薬の形ではなく飲み方の名前です。

対になる言葉が「定期薬(ていきやく)」です。
「毎食後」「寝る前」など、症状があってもなくても決まった時間に飲む薬を指します。

同じ痛み止めでも、定期薬として出る場合と、頓服として出る場合があります。
どちらの飲み方かは、薬袋の記載で決まります。

【早見表】定期薬と頓服薬、何が違う?

項目定期薬頓服薬
飲むタイミング毎食後・寝る前など、決まった時間症状が出たとき
症状がないとき症状がなくても飲む飲まない
飲み忘れ気づいた時点での対処が要る「飲み忘れ」はない
薬袋の書き方「1日3回 毎食後」など「痛いとき 1回1錠」など
余ったとき飲み残しは薬局に相談残してよいが、期限と保管に注意

いちばんの違いは、症状がなければ飲まなくてよいという点です。
定期薬のように「1日3回きっちり」と考える必要はありません。

逆に、定期薬を「調子がいいから今日は飲まない」と、頓服のように扱うのはおすすめできません。
血圧や心臓の薬など、症状がなくても続ける意味のある薬が多いためです。

定期薬を飲み忘れたときにどうするかは、別の記事に分けてあります。


頓服を飲むときの3つの目安

① いつ飲むか:薬袋の「〜のとき」を確認する

頓服の薬袋には、「疼痛時(痛いとき)」「発熱時(熱が出たとき)」「不眠時」のように、飲む場面が書かれています。

「熱が38度以上のとき」「発作のとき」と、条件まで細かく書かれていることもあります。
この「〜のとき」が、頓服を飲みはじめる合図です。

「出そうだから先に飲んでおく」は、薬によって向き不向きがあります。
薬袋に書かれていない飲み方をしたいときは、薬剤師に聞いてからにしてください。

② 何時間あけるか:次の1回までの間隔

1回飲んでも症状が続くとき、すぐに次を飲んでいいわけではありません。
多くの頓服には、「4時間以上あけて」「6時間以上あけて」のような間隔が決められています。

間隔を守らずに重ねて飲むと、前の1回分が体に残っているうちに次の分が入ることになります。
間隔の時間は薬によって違うので、自分の薬袋に書かれた数字を見てください。

薬袋に間隔の記載がないときは、受け取るときに「次は何時間あけますか」と聞いておくと迷いません。

③ 1日何回まで:上限の回数

頓服には、「1日2回まで」「1日3回まで」のように、1日に飲める回数の上限があります。

上限まで飲んでも症状がおさまらないときは、回数を増やすのではなく、処方した病院か薬局に連絡してください。
薬の種類や量を見直したほうがよい場合があります。

市販の痛み止めや熱さましを、頓服と重ねて飲むのも避けてください。
同じ成分が重なって、知らないうちに上限を超えることがあります。

市販薬と処方薬で中身がどう違うかは、下の記事にまとめてあります。

もう一つ気をつけたいのが、「余った頓服をとっておいて、別の症状のときに使う」ことです。
頭痛でもらった頓服を腹痛に使うなど、もらったときと違う症状には使わないでください。

同じ症状に見えても、前回と原因が違うことがあります。
頓服が残っているときは、受診や薬局で「前の頓服がまだ残っています」と伝えるのがいちばんです。

余った薬を薬局でどう扱ってもらえるかは、この記事に書きました。


よくある質問(FAQ)

頓服は1日に何回まで飲めますか?

薬袋に書かれた回数が上限です。

「1日2回まで」「1日3回まで」のように、薬ごとに決まっています。
上限まで飲んでも症状が続くときは、回数を増やさず、病院か薬局に相談してください。

症状が出そうなときに、先に飲んでおいてもいいですか?

基本は「症状が出てから」です。

ただし、薬によっては「〜の前に飲む」と指示されるものもあります。
自分の薬がどちらなのかは、薬袋の記載か、薬剤師への確認で決めてください。

前にもらった頓服が余っています。同じ症状が出たら飲んでいいですか?

自分で決めずに、薬局に聞いてください。

薬には使用期限があり、保管の状態によっても変わります。
同じ症状に見えても、前回と原因が違うことがあります。
受診のときに「前の頓服が残っている」と伝えると、処方の量を調整してもらえることもあります。


まとめ:頓服は「症状が出たとき」に「決められた間隔と回数」で

頓服は、粉薬のことではなく、「症状が出たときに飲む」という飲み方の名前です。

見るのは、薬袋の「いつ」「何時間あける」「1日何回まで」の3つだけ。
症状がなければ飲まず、余った分は次の受診で伝えます。

薬袋の文字が小さくて読みにくいときは、受け取るときに口頭で確かめてください。
「頓服の飲み方、もう一度教えてください」の一言は、薬剤師にとって大歓迎です。


あなたの街の「百名店」はどこ?

記事監修者 アトイ 人事・管理薬剤師 高橋 透泰

在宅特化型薬局に5年間勤務、在宅医療の経験を積む。

その経験を活かし、管理薬剤師としての役割や薬局運営にも幅広く関わりたいと考え、株式会社アトイに転職。

現在はブルーム薬局上溝店で管理薬剤師として勤務し、在宅医療に加え、学校薬剤師や薬物乱用防止活動などを通じて地域の方々と関わりながら、薬剤師としての役割を広げている。

記事監修者 漢方薬局 太陽堂 漢方薬剤師 前原 信太郎

祖父が沖縄で開業医をしていた影響もあって、薬に触れる仕事がしたいと「薬学」の道へ。

6 年間調剤薬局に勤めていましたがライフスタイルや食生活が変化する現代において、調剤(病院のお薬)だけで病気を治していく事に限界を感じ、2017年漢方薬局 太陽堂に入局。

その中で一人一人の体質に合わせて病気を改善していく漢方に出会い、その道に進み、今に至る。